株式会社アワーズ様
集客と回遊促進施策が詰まったパーク内デジタルスタンプラリーを実施! リアルタイムデータ分析で開催期間中に施策をスピード改善
「こころにスマイル未来創造パーク」をテーマに動物園・⽔族館・遊園地を統合した テーマパーク「アドベンチャーワールド」。陸、海、空の140種 約1,400頭の動物が暮らし、ジャイアントパンダの飼育展⽰、広⼤な敷地でのんびりと暮らす動物たちを眺めながら進むサファリツアー、イルカやアシカとトレーナーの息の合ったライブなど、動物たちの魅⼒を発⾒することができる。 今回は広い敷地内での特別イベント開催に伴い取り組まれたスタンプラリーイベントに、プラチナパークが導⼊された背景や効果、今後の展望についてお話を伺いました。
株式会社アワーズ 販売部ギフト課 ⾕井様 運営部業務課 杉浦様 経営企画室広報課 稲垣様
プラチナパークの導⼊に⾄った背景
- プラチナパークの導入背景について、教えていただけますか?
プラチナパークを活⽤したデジタルスタンプラリーはこれまで2回開催しています。 初回は2022年春に開催したシーズンイベント「SPRING FES 2022」。 2回⽬は同年夏に開催したシーズンイベント「SUMMER CAMP 2022」。 どちらも動物たちと⼀緒に楽しみながら体験し、学ぶ特別イベントのコンテンツとして 「どうぶつクエストアドベンチャー」というタイトルでプラチナパークを導⼊したスタンプラリーを実施しました。
これまで紙のスタンプラリーは通年で開催していたものの、デジタルスタンプラリーは初めての挑戦でした。 アドベンチャーワールドでは近年様々なDX化を推進しており、今回パーク内でのデジタルスタンプラリーを検討した理由は3つあります。
- 園内全体の回遊イベントと開催規模が⼤きいため、デジタル化が必須であったこと
- 屋外設置場所の管理等、オペレーションコストをデジタル化により削減したかったこと
- 環境に配慮し、紙を削減するSDGsの⽬標があったこと
この観点からデジタル化したパーク内マップを取り込め、かつスタンプラリーの管理がしやすいシステムを探しました。
また、スタンプラリーの企画内容は動物たちの⽣態や特性について、クイズを通して楽しみながら学ぶクエスト形式にしました。たとえばウマの寝床を掃除する飼育体験やフラミンゴの数を数える観察体験など、動物にまつわるクエストに参加してスタンプを集め、集めたスタンプでフィーディング体験などの特別イベント参加券をゲットできる形です。この企画内容が実現できる必要もありました。
- なぜ、プラチナパークをお選び頂けたのでしょうか?
様々なシステムを検討した結果、プラチナパークは最もカスタマイズ性が⾼く、アドベンチャーワールドらしさをしっかり打ち出せそうだと感じたことと、管理画⾯のUIが簡潔かつ直感的で、スムーズに構築・管理できそうだと感じたことが決め⼿になりました。
ユーザー向けのDEMO画⾯を触って⾒た際、とても操作しやすく、⾒ていて楽しい感じが伝わってきて、これならゲストに気軽にお楽しみ頂けそうだというイメージが持てました。
どうぶつクエストアドベンチャー ユーザー画⾯
- 今回のマップに関する施策はどのようなものだったのでしょうか?
シーズンイベントにおけるスタンプラリー開催の⽬的は、まずイベントとして盛り上げること、集客の増加、スタッフ・ゲスト・動物との交流促進の3点です。この⽬的に沿うため、スタンプラリーの企画内容は交流体験を主軸にし、動物の観察や飼育などの体験型クエストを考案しました。
また、クエストをどんどんクリアする楽しさを演出させるため、体験によってポイントを獲得できるだけでなく、体験内容によってポイントに差を持たせることができるポイントラリー形式を採⽤しました。
プラチナパークを活用したスタンプラリーのシステム上での構築は、まずグラフィックの作成、その後スタンプラ リー内容の設定、スタンプラリースポットの設定、テストの流れになります。ステップバイステップで進めていけるため、とてもスムーズに構築を進めることができました。
スタンプラリーの舞台となるパークマップについても、再度作成したわけではなく、アドベンチャーワールド公式WEBサイトに掲載しているグラフィックスをそのまま活⽤できたことは⼤変有難かったです。
WEBサイトに掲載していたグラフィックマップをそのまま活⽤し、スタンプラリーマップに設定
グラフィックマップの取り込みはボールドライト社に設定をお願いするのみで、社内で特別な作業は必要ありませんでした。
グラフィックマップ取り込み後は、今回のスタンプラリー内容の登録を進めました。参加⽅法、クエスト内容、スタンプの⽅式、特典の登録等をシステム上で設定します。テキストと画像で構成し、あとはどのスタンプ⽅式にするかや、どんな特典提供⽅式にするか等を選択していくだけなので簡単でした。
次に各スタンプラリースポットの登録を進めました。クエスト内容によってポイントに差をつけるポイントラリーは楽しさの演出をするのとともに、得点差を設けることによって、普段あまり⼈が来ないエリアへ誘導できたらと思っていました。
スポットの登録⽅法は簡単で、マップ上でピンを⼿動で動かして微調整し、直感的にかつ正確に設定できました。
楽しく様々な体験ができることを⼀⽬で伝えるため、スタンプラリースポットの種類によって「クイズ」「アトラクション参加」「お⼿伝 い」「特典交換」などピンをグラフィックピンで分けて分かりやすくしました。
登録したスポットはグラフィックマップ上にプレビュー反映されていることを随時確認できたので、わかりやすく作っていくことができ、⾒ていてかわいくワクワクするマップができたと思います。
また、動物の餌やりなど⼈数制限や時間制限がある特典は事前にその旨を掲載しておき、終了した場合はすぐにリアルタイム更新することで、その場まで来て参加できなく悲しい思いをするお客様をなくすこともできたため、お客様満⾜度も上げることができたと思います。
特典は計10個設定しました。クエスト達成ごとに獲得した累計ポイントから、各特典参加に必要なポイントを消費して、電⼦チケット引換券で引き換える形です。たとえば特別デザインのバッチへの交換や、ウマやマントヒヒの餌やり体験などを特典に設定しました。参加者がたくさんクエストでポイントを獲得して、特典に参加したくなるように⼯夫をしました。
プラチナパークの活⽤により、やりたかった企画内容をきちんとわかりやすくシステム上で構築できたことはもちろん、グラフィックやカスタマイズを効果的に使うことで「アドベンチャーワールドらしさ」にこだわった楽しいスタンプラリーが作れたと思います。
導入後に生まれた効果
- プラチナパーク導⼊後、どのような効果が出ていますか?
スタンプラリーの開催⽬的だったシーズンイベントとして盛り上げること、それによる集客の増加、スタッフとの交流、すべて期待を上回る結果となりました。さらにプラチナパークだからこそ⽣まれた効果は、詳細なリアルタイムデータを把握することで、開催期間中から施策改善でき、回遊性や繁閑に合わせた時間帯別の集客率をすぐに向上させることができました。
まず集客率の向上についてですが、デジタルスタンプラリーの参加者は累計1万⼈を超え、集客に⼤変効果を発揮しました。初回の春の開催が好評だったため、再活⽤を決定し、企画内容をブラッシュアップして夏も連続開催しました。
参加者の⽅からは「楽しめるイベントがあってうれしかった」「わかりやすくて楽しい」 「デジタルで荷物が増えなくてうれしい」などのお声を頂きました。
スタンプラリーを楽しみに来場者数が増加
アドベンチャーワールドにはリピーターの⽅も多くいらっしゃいますが、「いつも来ているけれど、今回はこのスタンプラリーを⽬的に来た」というお声もありました。
次に回遊率の向上です。特に普段ゲストが少ないエリアやショップをスタンプラリースポットにし、さらに得点差を設けることによる誘導効果を狙いました。その結果、リピーターの⽅から「スタンプラリースポットを⽬指してサファリワールドの奥に初めて⾏った!」という普段行かないエリアに⾜を運ぶきっかけとなったというお声が増え、狙い通りの誘導・回遊ができました。
スタンプラリースポットの設置場所を⼯夫し、狙い通りに周遊促進
たとえば、普段ほとんどの⽅が訪れるジャイアントパンダやスタジアム以外の、あまり⽬につかない場所にあえてQRコードを設置することで、その場所の看板もよく⾒て頂けるようにしたり、お⼟産などの店舗をスタンプラリースポットにすることで販売促進も⾏いました。
このような回遊促進は企画当初から考えていましたが、スタンプラリー開催期間中にダッシュボードでヒートマップやタイムラインなどの参加データをいち早く確認し、「今設置している場所より、こちらの⽅にQRコードやクエストを設置したら、もっと⼈が来るのではないか」という仮設が⽴てられたことで、どんどん改善をしていくことができました。
ヒートマップで集中と閑散ポイントを確認し、分散施策に利⽤
タイムラインデータでは開園してすぐのAM中に来客が集中していることが分かったた め、来場が減っている⼣⽅に動物へのフィーディング体験イベントを開催することで、混雑時間帯から閑散時間帯へ集客を分散させました。
他にも12時前後の時点では、ポイントを集めている⼈が少ないことが分かったため、特典交換に必要な消化ポイント数を低めに設定しました。また営業終了間近に「どうぶつクエストアドベンチャー」の存在を知った⼈にもお楽しみいただけるよう、消化ポイントを低めに設定したイベントを⼣⽅に設定するなどして、ゲスト⽬線で随時柔軟な対応ができるようになりました。
タイムラインで集中と閑散時間を確認し、分散施策と満⾜度向上に利⽤
このような施策変更を期間中に何回も⾏うことができ、開催期間中に回遊性や繁閑に合わせた時間帯別の集客率を、⾼速改善することができたと思います。
そして、体験価値や回遊率の向上のために、これらの施策検討〜実⾏をスタンプラリーのゲーム性によって楽しく誘導し、スピーディに改善できることは、パーク内における先進的なDX推進の実例になったと感じています。
ダッシュボードによるデータ把握はその他にも様々役⽴ちました。紙のスタンプラリーの課題の⼀つにデータ取得があり、スタンプの台紙がどれだけはけたかという数値と所感のみで、どんなお客様が多いか? どこでお客様が離脱したか? どのように回遊したか? などは分かりませんでした。
プラチナパークでは、どのような属性の⼈がどのような経路で回ってどこで⽌めたかなど、個別データも正確に分かり、従来できなかった詳細な分析が可能になりました。
(アンケート回答の属性に紐づくデータで、プライバシーに配慮した設計)
また、関係各所が⽇々実績を⼿打ちして集計していた⼿間もなくなり、ダッシュボードをそのまま活⽤して社内レポートにできたため、次の施策検討に時間を有効に使うことができました。各現場の⼈へも⽇々情報共有できたため、「昨⽇は〇〇⼈も参加したんですよ」などの共有がスタッフの⼀体感やモチベーションにもつながるという嬉しい効果もありました。
イベントの特性上、動物の体調や天候によりイベントが中⽌になる可能性が常にある状況であっても、その都度お知らせ機能を活⽤してリアルタイムに広く周知できたため、これらの周知に関するオペレーションコストも⼤幅削減につながり、⼤変楽になりました。
当初より紙の削減とオペレーションコスト削減は元々の導⼊理由の⼀つでしたが、どちらも⼗分に達成できた結果になりました。加えてデジタル化による⾮接触対応が可能になったため、安全⾯の推進が実現できたことも良かったです。
プラチナパークの活⽤で今後⽬指していきたいこと
- 今後取り組んでいきたいと考えていることはございますか?
アイデア段階ですが、動物の魅⼒をより深く学べるイベント開催時に再度活⽤を検討していきたいと思っています。またプラチナマップ⾃体も操作がわかりやすく、仲介の業者を挟まずリアルタイムに追記修正、⾃社で管理できるスピーディさがあるため、今後パーク内マップのデジタル化に活⽤できるのではと考えています。
- これまでの取り組みを振り返って感じていることをお教えください。
総じてとても有意義に活⽤させて頂きました。プラチナパークはカスタマイズの範囲が広く、そのやり⽅もわかりやすかったため、アイデアをすぐ形にしてオリジナリティを実現できました。またデジタル開催により、従来把握できなかったパーク内における⾏動経路データの正確なリアルタイム把握、改善施策の⽴案、その結果把握までが期間中から⾏えることはスピーディなマーケティングPDCAに⾮常に役⽴ち、新たなDXだと感じました。
今後もお客様に楽しんで頂くことはもちろん、集客と回遊促進、またデータ収集による改善を⽬指して、パーク内DXを進めていきたいと思います。
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